キングダムの呉鳳明
攻城兵器を操る「魏の知略家」
キングダムに登場する魏の大将軍・呉鳳明。
汗明の怪力でも、万極の怨念でもない。呉鳳明の武器は、戦況を覆す攻城兵器と、それを使いこなす冷徹な知略です。若くして魏軍の総大将を任され、独自に開発した兵器の数々で秦軍を翻弄する——合従軍の中でも、媧燐と並ぶ「頭脳派」の筆頭格です。
父の仇敵・秦への因縁
呉鳳明を語るうえで欠かせないのが、その出自です。
彼は、かつて蛇甘平原(だかんへいげん)の戦いで命を落とした魏の名将・呉慶(ごけい)の息子。呉慶は「魏火龍七師」と呼ばれた魏の伝説的な七人の将軍のひとりであり、作中では戦国四君の一人・信陵君(しんりょうくん)の食客頭——いわば右腕として描かれる人物です。その血と志を継ぐ呉鳳明にとって、秦は父を奪った因縁の相手でもあります。
戦場では冷静沈着でありながら、次々と新兵器を生み出すアイデアマンとしての一面も。井闌車(せいらんしゃ)をはじめとする攻城兵器を駆使し、合従軍編では秦軍を幾度となく窮地に追い込みます。武ではなく「工夫」で戦況を動かすその姿は、キングダムの戦いに知的な彩りを加えています。
史実における背景
呉鳳明は史実には記録のない、キングダムの創作キャラクターです。父とされる呉慶や「魏火龍七師」も、原泰久先生による創作の設定です。
ただし、彼が率いる魏は実在した戦国七雄のひとつ。かつては戦国時代の初期に最強を誇った国でした。名宰相・李悝(りかい)による改革でいち早く国力を高め、呉起(ごき)のような名将を擁して中華に覇を唱えた時期もあります。なかでも戦国四君に数えられる信陵君は、五国の連合軍を率いて秦を函谷関まで押し戻した、合従の名手として知られています。しかし秦の台頭とともに魏は徐々に圧迫され、紀元前241年の函谷関攻めの頃には、かつての勢いを失いつつありました。
呉鳳明のような「知略で秦に対抗する魏の将」は、武力だけでは秦に及ばなくなった魏が、それでも工夫と頭脳で生き残りを図ろうとした——そんな時代の空気を映し出した存在とも言えます。
映画「キングダム 魂の決戦」——田中圭が呉鳳明を演じる
MANTANWEBのキャスト発表では、攻城兵器の開発にも長けた魏軍の総大将・呉鳳明を田中圭さんが演じると発表されています。
アニメイトタイムズの解説記事では、呉鳳明が蛇甘平原で戦死した呉慶将軍の息子であり、知略鋭く戦場で役立つ兵器を生み出すアイデアマンとして紹介されています。
知略派の若き大将軍を、演技派の田中圭さんがどう体現するのか。力押しの武将が多い合従軍の中で、頭脳で秦を追い詰める呉鳳明の戦いは、ひときわ異彩を放つ見どころになりそうです。

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