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「王賁とは?実在した秦の将軍」
『キングダム』に登場する王賁(おうほん)は、冷静沈着な知略家でありながら、槍を操る武芸の達人としても描かれています。その姿は漫画の中でも異彩を放ち、主人公・信のライバル的存在として人気を集めています。
実はこの王賁、史実にも実在した秦の将軍であり、父は名将・王翦(おうせん)です。王翦とともに、秦が中華統一を進める中で大きな成果を挙げ、史記や様々な歴史書にもその名前が刻まれています。
■ 王翦(おうせん)の息子としての王賁
王賁は王翦の息子として生まれ、父と同じく軍人の道を歩みます。王翦が「深謀遠慮型」の戦術家であり、大軍を動かす長期戦や大規模作戦に長けていたのに対し、王賁はより「攻撃的かつ前線型」のスタイルを好んだとされています。
その違いは『キングダム』でも描かれていますが、実際の史実でも王賁は父とは別行動で軍を率いており、複数の国を滅ぼすなど、彼自身が高い指揮能力を持っていたことがわかります。
※王翦(おうせん)大将軍を詳しく知りたい方はこちら👇️
■ 実は“4カ国”を滅ぼした将軍だった!
中華統一を目指す秦において、王賁はなんと4つの国(魏・燕・代・斉)の攻略に関わっていたとされます。
特に斉(せい)の攻略は、ほぼ無血での占領だったともいわれており、彼の戦略的な交渉力や、状況判断力の高さもうかがえます。
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王賁の活躍とその功績
王賁は、秦による中華統一戦の後半で華々しい功績を挙げた将軍の一人です。
父・王翦とともに、秦軍の主力として複数の国の滅亡に関わるなど、その実力は若き将軍の中でも群を抜いていました。
⚔️父・王翦と共に中華統一戦争を爆進する

出典:Wikimedia Commons「ZH-战国七雄地图」
作成者:Lqy219 / CC BY-SA 3.0 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:ZH-战国七雄地图.jpg
王賁は、父・王翦とともに中華統一の核心を担った将軍として知られています。とくに以下の4カ国の攻略に関与しています。
年 | 滅ぼした国 | 参加将軍 | 王賁の関与 |
---|---|---|---|
紀元前225年 | 魏 | 王賁 | 主導したとされる。水攻め作戦で勝利。 |
紀元前222年 | 燕・代 | 王翦・王賁・李信 | 父子で北方攻略を分担した可能性が高い。 |
紀元前221年 | 斉 | 王賁・李信・蒙恬 | ほぼ無血での制圧。王賁も派遣されたとされる。 |
戦略面でも着実で堅実な進軍を重ね、「王翦の息子」としてではなく、“戦果で評価される将軍”としての地位を築いていきました。
⚔️王賁・蒙恬・李信──若き三将軍の共演
秦の統一戦争終盤では、「王賁・蒙恬・李信」の3名がそれぞれの戦場で存在感を発揮しました。
将軍 | 特徴 | 主な戦績 |
---|---|---|
王賁(おうほん) | 知略型+実直な指揮官 | 魏・燕・代・斉の攻略に関与 |
蒙恬(もうてん) | 守備・防衛の名手 | 正攻略に参加。統一後は北方匈奴対策に従事、万里の長城整備 |
李信(りしん) | 突撃隊長? | 楚戦で敗戦後も、燕・斉戦で活躍 |
とくに王賁は、父の王翦との共闘により、信頼と戦果を両立させた人物として印象的です。
キングダムでの王賁

漫画『キングダム』に登場する王賁(おうほん)は、父・王翦の息子として登場し、李信、蒙恬と並ぶ“若き三大将”の一人です。作中では、知略と武勇の両方を兼ね備えた将軍として描かれ、物語の中核を担う重要人物です。
知略と武勇を兼ね備える“完璧主義者”
王賁は、冷静沈着で頭脳明晰なキャラクターとして描かれています。一方で、槍の名手として自ら前線に立つことも多く、その武勇も見どころの一つ。理詰めの戦術や部下への厳格な態度が特徴的で、「完璧主義者」としての姿が際立っています。
王賁が繰り出す、『龍指(りゅうし)』や『龍巣(りゅうそう)』などの槍術も見どころの一つですね。
漫画キングダムでは、魏火龍七師・紫伯(ぎかりゅうしちし・しはく)との槍使い同士の戦いは、まさに死闘でした。
また、王賁が率いる「玉鳳隊(ぎょくほうたい)」は、精鋭揃いのエリート部隊として信頼も厚く、李信率いる飛信隊(ひしんたい)や蒙恬率いる楽華隊(がっかたい)と並び三大新星軍の一角を担っています。
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父・王翦との確執と葛藤

王賁の物語において欠かせないのが、父・王翦との関係です。
王翦は寡黙で謎の多い名将。一方、王賁はその影に苦しみながらも、「自分自身の力で認めさせたい」という強い意志を抱いています。この親子の確執と成長の物語が、王賁のキャラクターに深みを与えています。
王賁の活躍はこれからが本番!
キングダム本編(第75巻の時点)では、王賁はすでに数々の戦場で存在感を示してきましたが、まだ国の滅亡はありません。彼の真の活躍は、秦の中華統一戦の後半・まさにこれから本格化していきます。今後の展開では、彼がどのように歴史と交差し、父・王翦との関係はどうなっていくのか──まさに見どころ満載です。
まとめ:始皇帝を支えた”王家”と”蒙家”
春秋戦国時代の末期、秦が中華統一を成し遂げるうえで、王賁・李信・蒙恬という若き将軍たちの存在は欠かせませんでした。その中でも、王翦と王賁の父子コンビ、蒙驁・蒙武・蒙恬の蒙家3代、そして李信という猛将が絶妙にバランスを取りながら、秦の戦いを支えていきます。
王賁は、名門「王家」の跡取りであり、父・王翦とともに秦軍の中心を担いました。一方の蒙恬もまた、名家「蒙家」の後継者として北方の防衛や攻撃作戦で重要な役割を果たします。彼らはただのエリートではなく、秦王・政(後の始皇帝)を支え、中華統一という壮大な夢を現実にした原動力となったのです。
王賁自身は目立ちすぎることはないかもしれませんが、魏・燕・代・斉の攻略に名を連ねるという、戦果としてはトップクラスの実績を残しています。冷静な判断力と緻密な戦術を持ち、将軍として非常にバランスの取れた存在だったことがうかがえます。
彼の物語は、まさに“縁の下の力持ち”としての誇りを体現しています。
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参考文献・出典
- 司馬遷『史記』「白起・王翦列伝」
- 鶴間和幸著『始皇帝の戦争と将軍たち』朝日新書、2024年
- 原泰久『キングダム』集英社
- 横山光輝『史記』小学館
- ウィキペディア「王賁」<br>(最終閲覧日:2025年6月14日)
※本記事は、上記の文献・資料をもとに執筆しており、内容の整理や構成の検討には OpenAIを補助的に活用しています。
歴史的事実には諸説があり、解釈の違いや創作を含む部分もございます。
楽しんでいただける読み物としてご覧いただければ幸いです。
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