『キングダム』で楚軍の精鋭として登場する雷轟の項翼(こうよく)。大胆で好戦的な性格、そして雷のように駆ける戦いぶりが印象的な人物です。そんな彼は、血気盛んな若き猛将として描かれ、楚の将軍・白麗と並んで次代を担う存在となっています。そんな彼の勇猛さから、後に”西の覇王”と呼ばれる「項羽」の身内なのでは?などとファンの間では囁かれることも・・
では、この“項翼”という人物、果たして史実に実在したのでしょうか?この記事では、キングダムに描かれる項翼の魅力と、史実との関係をわかりやすく整理していきます。
キングダムの”項翼”とはどんなキャラクター?

『キングダム』に登場する項翼(こうよく)は、楚国の将軍であり、同じ楚軍の白麗(はくれい)とともに楚軍生え抜きの精鋭として描かれます。特徴的なのは、雷のようなスピードを武器とした突撃戦法と、荒々しい性格。言葉遣いも粗く、好戦的な面が強調されています。
彼の見せ場は、合従軍編や秦魏連合との戦いでの騎馬戦など。必殺の莫耶刀(ばくやとう)を手に、味方の士気を鼓舞しながら敵陣を切り裂く姿は、まさに“戦場の暴風”といった印象を与えます。
また、寡黙で冷静な白麗と対象的に、感情の起伏が激しい性格もキャラクターとして魅力的なポイント。楚軍の中で、武力と勢いを体現する存在と言えるでしょう。
項翼は実在したのか?
実は、項翼という名前の人物は、現在のところ史実では確認されていません。
そのため、彼は『キングダム』のオリジナルキャラクター、いわば創作された楚の武将です。
ただし、彼の名前や立ち位置には、“それらしさ”を感じさせる工夫が見られます。たとえば、「項」という姓は、戦国末期から秦末期にかけて楚の名門に見られます。項燕(こうえん)や、後の楚の英雄・項羽(こうう)などです。
特に項燕と項羽は、歴史的にも有名な将軍であり、項翼というキャラクターは、その系譜を思わせる“架空の一族”として登場しているのかもしれません。
なお、『キングダム』原作でも、項燕との血縁や関係については明言されていません。ですが、読者の間では「項翼は項燕の息子?」「項羽の父?」など、様々な想像が語られています。
項翼は奔放なキャラクターのイメージがあって、愛嬌さえ感じさせるのですが、恐らく今のところ、豪傑が揃う秦将達と戦っても、一度も負けてはいないと思います。六将の騰(とう)とも互角に渡り合っています。これは実は凄いことです。主役の李信だって一騎打ちで負けたことはあるのですから。
これらから考えると、『最強の武将』と言われている項羽と関わりがあっても全く不思議ではありませんね。

キングダムの魅力の一つは、史実の人物と創作の人物が融合し合って不思議なリアリティを感じさせてくれるところだね。

そうだね💡
項翼なんて、いる方が自然な感じさえするよ。
項燕将軍について詳しくはこちら👇️
まとめ
『キングダム』の項翼は、史実に登場する人物ではないものの、楚国の武将らしい猛々しさと、戦場での存在感を見事に描かれた魅力的なキャラクターです。
その名前や戦い方には、楚の名門「項氏」らしい空気を感じさせ、創作ならではの自由さとリアリティのバランスが取れた設定になっています。
項燕、項羽との関係を思わせる“謎の血筋”という視点で見ると、項翼というキャラクターがより一層面白く感じられるのではないでしょうか。
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出典・参考文献
- 原泰久『キングダム』集英社
- 司馬遷『史記』
- 鶴間和幸『秦始皇 中華統一の思想と権力』講談社学術文庫
- 渡邉義浩『項羽と劉邦』講談社現代新書
- 横山光輝「史記」(小学館)
注意書き
※本記事は、『キングダム』(原泰久・著)および中国戦国時代の史実などに基づいて作成しています。
作中キャラクター「項翼」は創作とされ、現存する史料には実在の記録が確認されていません。
一部の記述には考察・仮説が含まれています。歴史の楽しみ方の一つとしてお楽しみください。
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