リーダー・責任者の育て方

新人教育・トレーニング

こんにちは!takenokoです。

お店の売り上げ伸びてきた。 
お店の規模を大きくしたい。
もう少し経営に時間を取りたい。
自分の体力に限界を感じている。

などなど・・

現場運営をしていると、自分の分身が欲しい・・
と感じる場面が出て来ることと思います。

こんな時は、現場の責任者・リーダーを育成するタイミングです。
現場に良い責任者・リーダーがいれば安心してお店を任せられます。


その分、経営者や店長にしか出来ない業務に専念することができて
お店も次のステージへ向かうことができるかもしれません。
または、ご自身の健康資産を保持して、より健康的に経営を継続
できるかもしれません。

これまでは、作業者のトレーニングについてまとめてきましたが、
責任者のトレーニングは、少しアプローチの仕方が変わってきます。

基本的なトレーニングの考え方は変わりありませんが、どこに重点を
置くかが変わってきます。

具体的に、何を大切にするかというと

Off-JT』です。

OFF-JTとは、

OFF-JTとは、日常の現場での業務から離れて行う研修・ミーティングなど

それでは、良い責任者・リーダーを育成するコツを順番にをまとめていきます。

自分の分身をつくる

Off-JTを多くとる

先に述べた通り、リーダー育成にはOff-JT がとても重要になってきます。

作業のトレーニングが終了しているスタッフの中からリーダー候補を選び、育てていくので
お店の理念や、イレギュラー時の具体的な対処法などを伝え・教えていくことになります。

お店の理念を共有する

お店の責任者・リーダーになるということは、お店の顔になるということです。

その時に、お店の理念や経営者の思いをよく理解してもらうことは大切です。

経営の理念は、同じものは一つとしてありません。
そして、その理念を表現する方法も、同じものは一つとしてありません。

例えば、お店の理念が「食を通してお客様に幸せを提供する」だとします。

その理念を表現する手段はどのようなものでしょうか。

ある人の手段は、
『お客様に親身になって時間をかけて丁寧にサービスをする。』
またある人の手段は、
『サラリーマンが多い場所だから、とにかく正確に早く料理を提供すること。』
かもしれません。

理念が同じだとしても、その表現方法(手段)は違ったものになりえます。

この理念とその表現方法伝えることが、、リーダートレーニングで最も大切な事
であり、出発点になります。

ここを大切に伝えないと、後々、あれ何かおかしいぞ。期待していたことと乖離が
あるぞ。。。となりかねません。

優先順位を明確にし共有する

お店の理念と表現方法を明確することで、仕事の優先順位も明確なってきます。

具体的な作業の優先順位が決まっていれば、リーダーも安心して仕事に取り組めます。

お店として、何を最優先にするかをしっかり共有しましょう。

仕事には3要素があることは変わりありません。
しかし、どこにウェイトをどれだけ置くか、どのような順番で仕事を進めるのか
をしっかり共有しましょう。

クレームの予防法と対応を教える

どんなに素晴らしいと言われるお店でも、ホテルでも、テーマパークでも、苦情やクレームは
必ず発生してしまいます。残念ながらこれが現実です。

クレームがゼロになることは非常に難しい。でも、クレームや苦情を減らすことはできます。

大切なことは、クレーム・苦情をゼロにする事ではなく、クレームや苦情の種を可能な限り、
再現性高く減らす事です。これなら可能です。

逆説的になりますが、クレーム・苦情を減らすには、クレームと苦情が起こる原因を知っておく
必要があります。飲食業に関しては以下の四つが主なクレームの原因です。

クレーム・苦情の4つの原因

間違える

頼んだ商品と違うものが提供された。

これは、当たり前ですね。ハンバーグ定食を頼んだのにピザが提供されたら誰でもオイ!って
なりますよね。

お会計を間違えた。

お客様からしたら、お金の受け渡しを間違えるなんて信じられないことです。
せっかくの楽しかった食事も台無しになってしまいます。

品質が下回る

メニューと明らかに違う貧素な盛り付けで提供された。すごく冷めたステーキが出てきた。
冷めたホットコーヒーが出てきた。などなど、ちょっと想像するだけで嫌な気分になりますが、
多くの人が無意識に期待している品質を大きく下回った時は、当たり前ですがオイ!ってなります。

遅い

ランチタイムにサラリーマンが来店したとします。

サラリーマンにとって、1日の中で数少ない癒しの時間。
お店でのランチ。

そんなランチタイムが、怒りの💢時間に変わる事があります。
料理の提供が30分かかったら大変です。
もしかしたら、午後からの仕事に遅れてしまうかもしれません。

このようなお店には、クレームをつけるか、危険すぎるので二度とランチ
では利用しないでしょう。

スタッフの対応が悪い

これは形のないものですが、大体クレームや苦情が表面化する時は、スタッフの
対応の悪さと上記の3つのどれかが絡んでいることが多いです。

対応がおざなりであったり、感じが悪かったり、、、

飲食店でも、どんな仕事であっても人間がやることです。必ずミスは起こります。
しかし、その対応を間違えてしまったり、感じが悪かったりするとお客様は
怒ります。

基本的には、以上の4つの内2つ以上が重なったときにクレームや苦情が表面化
します。
逆に言えば、上記の4つのトレーニングがしっかりと行われていれば、
クレーム・苦情はかなり減るはずです。

クレーム発生時の初期対応4つを教える

クレーム・苦情の対応は本当に嫌ですね。

クレームを受けること自体も嫌ですが、クレームを出してしまったことに対して、お客様に
申し訳ない気持ちや、後悔の気持ちで落ち込んでしまいます。

以前、店長をしていたお店では、責任感の強い若いリーダーが初めてのクレームをいただいた
ときに、ショックと情けなさなどから泣きながら状況を報告してくれました。

その若いリーダーには、その時に改めてクレームへの初期対応とクレームの予防法について
話しをしました。その子にとっては、とても苦い経験だったと思いますが、その後立派な
リーダーとして活躍してくれました。

クレーム発生時の初期対応① 迅速な対応

クレームや苦情が起きた場合は、内容はまだ明確にわかっていなくても、その対応を最優先に
行動します。その瞬間は優先順位一番になります。

クレーム発生時の初期対応② 責任者が対応する

まず、クレームや苦情を受けたスタッフはその時間の責任者にすぐに報告をします。

そして、対応の決定権を持つ責任者が必ず対応をします。

例えば、何度も何度も、責任者に聞いて参ります。の様な対応を取っていたら、どんどん
クレームは大きくなってしまいます。最初のクレームに加えて、対応の悪さも加わって
しまいます。 お客様からしたら、責任者が出てこない時点で、蔑ろにされている気持ちが
大きくなってしまい、怒りが大きくなってしまいます。

クレーム発生時の初期対応③ お客様の話を最後までしっかり聴く

当たり前のことのように感じますが、これがしっかり出来ればクレームや苦情は長引かずに
解決することがほとんどです。

お客様が本当に伝えたいことは何かをしっかりお聞きする事が大切です。

ただただ、すいません、すいません、と謝るだけではいけません。

「只今、スタッフから〇〇と報告を受けて参りました。責任者の△△と申します。ご迷惑をおかけ
し大変申し訳ございません。〇〇とのことでございますが、少しお話を聞かせていただいても
よろしいでしょうか。」

お話さえしっかり聴くことが出来れば、最優先で料理を作り直すのか、対応スタッフを変えるのか
はたまたお値引きなどの対応をするのか、状況によって色々と対応内容は変わってきます。

その対応を迅速にするためにも、責任者がお客様のところへ向かう必要があります。

クレーム発生時の初期対応④ 言い訳をしない
昨今は、『カスハラ』が話題に上ることも多くなりました。

’’カスタマーハラスメント和製英語:Customer harassment)とは、顧客からの暴行脅迫暴言、不当な要求といった、理不尽で著しい迷惑行為を指す。顧客は消費者だけでなく企業間取引の相手先も含まれる[1][2]。顧客(カスタマー)+嫌がらせ(ハラスメント)を組み合わせた造語で、日本では略してカスハラともいう。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』’’

言葉としては新しいですが、昔からあった事でもあります。ここの見極めは難しいところでも
あります。こればかりは知識や経験から対応の線引きが必要になります。対応は店長以上がする
ようにしてください。

ここでは、明らかにお店側に非があるという前提での対応を説明していきます。

クレームが起きてから、責任者が最初の対応を終えるまでは、とにかくお客様のお話をよく
お聞きし、対応を迅速にします。その過程では、言い訳をしないことは大切です。

ただし例外があります。

お客様の求めているサービス・商品レベルが、明らかにお店のレベルと乖離している場合。
この時は素直に、当店はそのような高いレベルのお店ではなく、お客様のご期待には
答えることができない旨をご説明し、期待に期待に応えることが出来ないことに関しては
申し訳ない気持ちをお伝えしましょう。

出来ないことは出来ないと判断し、伝えることも時には大切なことです。
ただし、この最終判断は経営者、もしくは店長がすべきことだと思います。


任せる

しっかりと教えるべきことを教えた後は、範囲を決めて、仕事を任せましょう。

どこまでを任せるかを明確に決めることが大事です。(スタンスを明確にする。)

責任者として仕事を任せると、初めての場面にたくさん遭遇します。

自分で考えて、どうしても分からないことや、判断できないことがあったら、いつでも
相談して良いことを伝えましょう。(特に、トラブルがあった時はすぐに報告や相談をする
よう伝えてください。)信頼関係がより重要になってきます。

常にスタンスを意識しながら任せましょう。基本的には助けを求めてくるまでは我慢強く
任せましょう。

任されていると実感すると、やりがいが出ます。また、自分で考えて仕事が出来ることは
嬉しい報酬の1つとなり得ます。

ここで、一つだけ、大切な基準があります。

お店として、good・better・bestの基準があるとしたら、goodを下回ってしまいそうだったらリーダーのトレーニングは一度置いといて、お客様とお店の信頼のためにフォローに入りましょう。

good・better・bestの基準はとても大切なことなので、後で説明します。

褒める(正当な評価をする)

任せたら、必ず評価をしてあげましょう。

何もなったから、何も話さないでいいや。は職務怠慢です。

何事もなく業務が終わったのであれば、それはリーダーとして褒められるべき仕事を
したということです。


雑談ベースでも良いので、
「昨日は問題なかった?何か良いことはあった?」
など、しっかりコミュニケーションをとりながらリーダーのフォローアップをしましょう。

こまめなコミュニケーション自体が、リーダートレーニングのOff-JTにもなりますし、信頼
関係の構築にもつながっていきます。

数字を共有する

リーダーは経営者・店長の良き相棒となって欲しいものです。
そのためには、ある程度の数字を共有して行くことが好ましいです。

お店によって共有する数字は変わってくるとは思いますが、まずは売上やメニュー別の提供数、
アンケートを取っていればアンケート結果などから始めると良いと思います。

数字を基にお店の目標や行動計画を作っていけば、より一体感が出てくると思います。

振り返りをして微調整を繰り返す

数字での振り返りを交えるとコンパクトに振り返りが出来ますし、根拠も出てきます。
その中でイレギュラーなどがあれば、その都度一緒に考えながら解決していきます。
毎日の営業の振り返り自体が、これ以上ない良きケーススタディとなります。

この時、特に大切にして欲しいことは、良かったことをピックアップして話してもらうことです。
そしてその場面・状況をよく聞き大いに称賛しましょう。それがその店のスタンダードになって
いきます。

新しい経験をさせる

お店の成長は、そこにいる人の成長です。

人とは経営者であり、店長であり、リーダー、そしてスタッフ一人一人です。
リーダーが成長をするためには、良い経験をたくさんしてもらうのが一番です。

研修として商品・サービスの素晴らしいお店にお客として訪れるのも良いですね。
可能であれば、半日でも良いので研修で受け入れてもらいましょう。もしも、チェーン店
などの場合は店舗同士での受け入れもできるかもしれません。
是非、リーダーには色々な経験をさせてあげて下さい。
必ず、お店にとって良い文化になると思います。

まとめ

リーダー育成についてまとめてきましたが、リーダーを育てるには時間がかかります。
まずはリーダー候補の選定から始まるわけですし、そこからもゆっくりと大切に技術と知識を育てていく訳です。

どうぞ、急がずに、楽しく、信頼関係を構築していってください。
そして惜しみなくあなたの知識・技術を伝えていってください。

経営者・店長からの信頼と称賛がリーダーの力の元となり、お店の良い文化の基礎となります。

そしてリーダーとスタッフが、お店を助けてくれます。

ここで再び、山本五十六の言葉をお借りします。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ

話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。

やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず


それでは、良いリーダーと良いお店ができることを願っております!

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