飲食・サービス業の新入社員・新人さん初期トレーニング5つのポイント

新人教育・トレーニング

こんにちは、takenokoです。

20代の頃から飲食店店長・旅館の支配人などを20年ほどを経験してきました。

現在は、育児で子供の時間に合わせた働き方をするためサービス業からは離れていますが、職種は変われど、スタッフ・社員教育の基本の部分はそれほど変わりません。

みんなが安心して(楽しく・やりがいを持って)働ける、そんな職場づくりのための方法を今回はお伝えしていこうと思います。

新人のトレーニングは意外と難しい!?

飲食業などのサービス業で、お店を運営していれば、新たにスタッフを採用してお店の一員として働いてもらう場面が出てきます。

しかし、スタッフの教育は思いのほか難しい・・・。自分でやっちゃった方が楽だな・・

そう思っている方は多いと思います。

スタッフを採用するということは、お店が忙しい(もしくは欠員が出た)ことが多いと思います。

その忙しい最中に新しいスタッフを迎え入れ、仕事を教えていくと言うことは、思いのほか難しいことが多いです。

特に、少数精鋭で戦っている現場😤では、生産性が高い反面、新人さんが育ちにくいという傾向もあります。(その逆に、生産性が低い現場では、良い人材が辞めていってしまう😩というジレンマもあるかもしれません。)

いずれにせよ、せっかく採用まできた新人さんを早く一人前にしてお店の戦力になってもらわなければ、お店全体の生産性も上がっていかず、何のために採用をしたのかもわからなくなってしまします。

(最悪、スタッフが辞めてしまえば、採用・トレーニングに欠けた時間とコストが全てが水の泡となってしまします。)

そこで今回は、新人スタッフさんが現場に入った時のトレーニングについて解説していきます。

新人トレーニングは2段階

まずはじめに、新人さんのトレーニングは大枠で2つの段階に分けると良いです。

1段階目 ➡️ 初めての環境で、単位作業も動作も何もわからない(小鳥で言えばヒナの状態)

       この状態でのトレーニングを初期トレーニングと呼びます。

2段階目 ➡️ 基本的な作業・動作を覚えた状態。(小鳥で言えば飛び方を覚えた状態)

       ここからのトレーニングをフェードアウトトレーニングと呼びます。

なぜ、2段階に分けるのかというと、作業人数としてプラスで数えるか、マイナスで数えるかの大きな分かれ目になるからです。感情や感覚の問題ではなく、この区切りは特にシフト管理者、もしくは時間帯の責任者にとっては非常に大切なところです。

この考え方は、トレーニングの内容というよりはシフトを組む上で大切なことなので、ここでは詳細は省きますが、ここが曖昧になっていると、新人さんの離職率がググッと上がってしまいます。

初期トレーニング5つのポイント

それでは本題に入ります。

まずは、初期トレーニングの5つのポイントについて説明します。

初期トレーニングとは、新人さんが初めて現場に入ってから、独り立ちをするまでのトレーニングのことを言います。

そして5つのポイントとは、教える人(トレーナー)が、トレーニングを進める過程で、知っておくべき枠組みのことです。

枠組みを理解していることで、今何を、何のために教えているのかが明確になります。逆にここが曖昧だと、新人さんは必ず混乱します。その結果、トレーニングの効率が悪くなってしまいますし、新人さんのモチベーションも落ちてしまいます。

それでは、初期トレーニングの5つのポイントを解説して行きます。

  1. シミュレーション
  2. ロールプレイ
  3. OJTOFF-JT
  4. トレードonトレードoff
  5. スタンス

シミュレーション

例えば、接客でお客様の入店から席への案内など、その店の型があると思います。まずはお手本を見せますが、その後にお客様がいない場所で何度も繰り返し練習をします。最低3回はお手本を見せます。この現場ではない場所でのシミュレーションで動作の基礎を作っていきます。

ロールプレイ

繰り返しのことです。何度か練習し、ある程度形になった動作のシミュレーションを繰り返し練習することで身体に覚え込ませていきます。このロールプレイは5分や10分など時間を区切って一人で練習させると効果があがりやすいです。その後、改めてトレーナー(教える人)と一緒にシミュレーションをしてチェックしていきます。ここで疑問点やポイントを押さえることで不安が減っていきます。

☆ ポイント ☆

シミュレーションとロールプレイはセットのものです。新人さんの状態は緊張でガクガクです。ここでトレーナーが最も意識すべきことは、新人さん(トレーニー)の集中力を引き出すためにリラックスさせることです。今はいくら間違えても大丈夫ということと、疑問や質問はどんどんして良いという空気を作ることです。これが後々の信頼関係や抜けのない報連相にも繋がってきます。

OJTとOFF-JT

OJTとは『On-the-Job Training』のことで、現場でトレーングを行うことです。Off-JTとは『Off-the-Job Training』のことで現場の外での座学や学習のことを言います。シミュレーション・ローププレイなどはOff-JTに含まれますね。

トレードonとトレードoff

簡単に表現すると

トレードonとは、組み合わせていくこと。

トレードoffとは、分解していくこと。

ちなみに、

動作を組み立てていくと➡️単位作業になります。(単位作業とは、たとえば「キャベツの千切り」)

単位作業を組み立てて行くと➡️作業になります。(作業とは、たとえば「仕込み」)

トレーナーはトレーニングの内容を動作の単位まで分解して観ていく必要があります。トレーニングの過程では、新人さんをよく観察し、どこの部分の練習が必要なのかを見極めて行きます。

そして、たとえば一つ一つの動作がスムーズに出来ていれば動作を組み立てていって(トレードon)作業のトレーニングに移行します。その逆で、作業の流れの中である動作が出来ていなのであれば、シンプルに動作のトレーニングに戻したりして(トレードoff)、柔軟に訓練を進めて行きます。

☆ ポイント ☆

加減が難しいところではありますが、初期トレーニングの時点では全ての動作・作業に100%を求めないようにすることが大切です。60%出来ていれば上出来です。(初めから100%出来る人なんていません。)

スタンス

スタンスとは、新人さん(トレーニー)と教える人(トレーナー)との距離感のことです。

お手本やアドバイスの頻度などは、成長の過程で少しずつ減って行きます。

たまに、いつまで経ってもずっと真横で監視しているかのようなトレーナーを見かけます😅何のためにずっと横にいるのかトレーナー自体もわかっていないのでしょう。これでは、本来必要のない緊張感と疲労感が残るだけで、トレーニーのスムーズな成長を邪魔してしまっています。

新人さんの成長の過程で、

初めは近くでお手本を示す➡️次にリードしてあげてトライする➡️寄り添い指示をしながら回数をこなしていく➡️示唆してあげてだんだん自分で動いていく➡️見守る位置まで距離を離し、イレギュラーがあった時にはすぐに聞きにきてもらう。

この距離感のことを、スタンスと言います。

まとめ

長くなりなしたが、ここまで、新入社員さん・新人さんの初期トレーニングの5つのポイントをざっくりと解説してきました。細かい具体例や活用方法などは、随時書き足していこうと思っています。

自分で仕事ができることと、人に仕事を教えることは、似ていても全く異なることです。

教えるという仕事の「枠組み」を知っているだけでも、随分とお店の未来が変わってきます。

その枠組みをうまく活用できた時、あなたの技術や思いが良い形でスタッフへ繋がっていくでしょう。

今日のまとめ

初期トレーニングの5つのポイント

  1. シミュレーション
  2. ロールプレイ
  3. OJTとOFF-JT
  4. トレードonとトレードoff
  5. スタンス

新入社員・新人さんをしっかり育てて、あなたのお店のコンセプトや存在価値を表現してもらいましょう。

スタッフはお客様に貢献し、私たちはスタッフに貢献しましょう。

貢献とは、良いトレーニングを提供することだと思います。

5つのポイントが、ほんの少しでもあなたのお店の役に立つことを願っています。

終わりに

人を育てる天才だったという、山本五十六の残した言葉があります。

『やってみせ、 言って聞かせて、 させてみせ、 褒めてやらねば人は動かじ。

話し合い、 耳を傾け承認し、 任せてやらねば、 人は育たず。

やっている 姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らじ。』

この短い言葉の中に、5つのポイントとその先にある教育・組織づくりまで、すべてが包み込まれているように感じます。

初めての投稿で、読みにくい点、分かりにくい箇所等あったと思いますが、5つのポイントの前の段階やその後にも、とても大切な行程があります。

少しずつですが、まとめていこうと思います。

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